脳震盪(のうしんとう)
応急処置
意識のない場合は呼吸と脈を確認し、必要な場合は
人工呼吸や心臓マッサージを行う
呼びかけても反応がない場合、派手に叩かず、
脛などを強く圧迫し痛みの反応状態をチェックする。

頭部打撲・頸部損傷を疑う場合のチェック事項(意識がある場合)
(倒れているプレーヤーのそばで倒れたまま質問します)
質問事項
1 (1)君の名前は?
  (2)今日は何月何日何曜日か言ってごらん。
  (3)今何をしているかわかる?
  (4)相手チームとグランドの名前を言ってごらん。
  (5)目をあけたり閉じたりしてごらん。
 
2 (1)頭が痛かったり、吐き気はする?
  (2)(指を一本目の前に出し)はっきり見える?
  (3)手や足がしびれてない?
  (4)腕を曲げてごらん。伸ばしてごらん。
  (5)足を曲げてごらん。伸ばしてごらん。
  (6)今前半?後半?
  (7)勝ってるの?負けてるの?
※(3)〜(5)に異常がある場合、頚髄損傷の可能性も。

頚髄損傷・・・スクラムが崩れたり、タックルで首が強く屈曲、
        伸展した時に発生。手足の麻痺があります。
        一刻も早く、医師の診察を受けさせましょう。
チェックでOKを出した場合、その後のその人のプレーを見て普段通りに出来ているかを見続けましょう。
(日頃から各個人の動きを見ていないと変化がわかりません。
そのため、レフリーやドクターより、同じチームの人の注意が必要になります。)

また、脳震盪は受傷直後は軽症に見えても、時間が経ってから再び意識が低下することがあります。
脳震盪後の24時間は一人にしないで、経過の観察をしていただくよう、
受傷者の家族に連絡をする事も大切です。

チェックで異常が見られた場合、すぐに退場させ救急車を呼び
医師の診察を受けさせましょう。

特に2(3)〜(5)に異常が有った場合、または、意識がない場合には頚髄損傷を想定して
特に受傷者の移動には注意が必要です。

1 試合を止める。
  (意識のない場合は呼吸と脈を確認し、必要な場合は人工呼吸や心臓マッサージを行う)
  むやみに受傷者を動かさない。

2 首、頭の位置を固定する。

3 担架に乗せる場合、頭側の人が受傷者の顔を見られるように
  足側の人が後ろ向きになって(後ろ手で)運びます。
  担架がない場合、両腕を頭部、頚部、背中の下にさしこみ、首と体が一本の棒のように扱う。
  左右にそれぞれ2人と3人を配置し、ひざまずいて両腕を体の下に差し込む。
  両側のものは同時に膝をたて、ゆっくり受傷者をもちあげる。

4 安全なところへ移動できたら打撲した個所にアイスパックをあて、様子をみる。
  (必ず一人にさせない)吐き気、痺れは要注意!!

5 脳震盪で退場者が出た場合、必ず地域協会に報告を出さなければなりませんので、
  脳震盪に至った原因や、時間、処置、など記録を忘れずに。
  (脳震盪の原因など、統計もとっています)
  
  また、脳震盪を起こしたプレイヤーは原則として、3週間は試合、練習に復帰できません。
  (日本では専門医の検査、診断を受け、異常が見られなければ3週間たたなくても、復帰できます)
  脳のCTやMRI、レントゲンをとると障害見舞金の対象になります。
  軽い受傷と思っていても、疑わしい場合は検査をお薦めします。
  (所定の診断書と報告書の提出が必要です)

予防・・・マウスピース・ヘッドキャップの装着
     正しい姿勢のタックル
     頚髄の場合は首周りの筋肉強化